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もっとラフに気軽にIT知識を!『ゼロからわかるITほんき入門+マンガ Web3のなかみ ブロックチェーン・NFT・メタバース・DAO』ができるまで

「この本の企画ってどうやってできたの?」「本のタイトルってどう決めているの?」。担当編集者が普段見せない本づくりの制作の裏側、こだわりを語るマガジンです。今回ご紹介するのは、1月15日に発売した新刊『ゼロからわかるITほんき入門+マンガ Web3のなかみ ブロックチェーン・NFT・メタバース・DAO』。企画を考えた経緯や制作中のエピソードを担当編集・進藤に聞きました。

今回ご紹介する書籍はこちら!

―――まずは簡単にこちらの本の内容を教えてください!

Web3とそれを支えるITテクノロジーであるブロックチェーン・メタバース・NFTなどを、13歳以上の中高生やITに詳しくない社会人の方でも読めるよう、わかりやすく解説した書籍です。技術的な深い解説は避けつつ、「これだけは知っておきたい」という要点を押さえ、図解やイラストで知識ゼロでもWeb3の概念や全体像をムリなく把握できる点が特徴です。

13歳から読める新しいIT入門書シリーズ「ゼロからわかるITほんき入門+マンガ」の第2弾でもあり、話題のITテクノロジーがどうやって生まれたのか、私たちにどのような恩恵をもたらすのか、この先どう進化していくのかなどに着目し、未来への期待が膨らむ一冊に仕上げています。

―――「13歳」は中学1年生ぐらいなので、若い学生もターゲットした書籍なんですね。どのような経緯で本書の企画を考えられたんでしょうか?

コロナ禍を経て、ITの重要性・関心は日本全体で高まっていますが、既存の書籍では入門書でも専門用語が多かったり解説レベルが高かったりなど、IT知識を持たない方にとって読みこなすのは至難の業です。

そこで、もっとラフに気軽にIT知識を「学びたい・触れたい」若年層や社会人、ノンエンジニアの方に向けて、ITテクノロジーの知識を楽しく理解してもらいたいという想いで企画しました。

ITテクノロジーは、決してITエンジニアや理系・専門分野の人たちだけのものではなく、子どもたちや学生、ITに詳しくない大人たちも、もっと気軽に学んでおくべき知識です。社会人の教養として、仕事の足がかりとして学ぶのも良いですし、もっと言えば「ただなんとなく興味を持った」程度でも良いんです。

しくみを知れば楽しくなる、未来にワクワクできる、そして誰かに話したくなります。そんな世の中になって欲しいという想いもあり、本書を通して一層幅広い方にITのおもしろさを伝えたいと考えています。

―――「より良い本にしたい」という想いがひしひしと伝わってきました!  幅広い層が読む本となると、解説の仕方や構成の分かりやすさなどもしっかり考慮する必要があり、大変なことも多そうですが、制作過程で特に苦労したことは何ですか?

本書はWeb3のテクノロジーのしくみだけでなく、「私たちとどのように実生活でかかわりがあるのか」という点にも触れているため、関連のサービスを多数紹介しています。なので、それに伴う画像も掲載していますが、掲載の許諾を得る作業がとても大変でした。

およそ75件ほど、各種サービスやNFT画像などを書籍内で紹介して問題ないか、権利元を探して問い合わせました。返答がなかったり、そもそも問い合わせ先の窓口が見当たらない、画像の権利元が不明なことも多く、かなり苦労しました。

―――掲載の許可取りは編集がよく行う作業のひとつですが、75件は確かに大変ですね……。

返答が得られなかったものや、権利関係が不明確なものもあったので、そういった場合は、編集部判断で他のサービス・画像に差し替えたり、画像の代わりのイメージイラストを用意するなどの対応を適宜行ないました。

できあがった最終稿は初稿とだいぶ様変わりしましたが、最終的には多くの権利元から掲載許諾が得られ、バリエーションに富んだ内容を読者にお届けすることができ、満足しています。やはり、サービスの画像があるとイメージが湧きやすいですし、何より見て楽しいですよね。Web3はもちろん、ITテクノロジーに苦手意識を感じている人にも楽しく読んでほしい、という想いが強くあったので、手間をかけたかいがありました。

―――Web3に関連した身近なサービスを多数掲載しているのも見どころの一つなんですね。 続いて、「ゼロからわかるITほんき入門+マンガ」シリーズについて聞かせてください。シリーズ全体ではどういった点にこだわっているのでしょうか。

まずカバーは「目に留まるような明るい目立つ色」と「シリーズ名とタイトルがパッと目に入りやすいこと」を意識しました。カバーは読者がまず注目するポイントですし、この印象が中身のイメージに直結します。学生の方や若い社会人の方の目を引くよう、強い色合いと見やすいタイトルがポイントです。また、カバー左上に「13歳から大人まで」というキャッチコピーを入れ、読者イメージをはっきり伝えています。

こちらはシリーズ第一弾の書籍
背景の回路のように見える模様はシリーズ共通です

カバーのデザイナーさんには、学生やITに詳しくない方たちにも気軽に手にとっていただけるようにしたいことを伝え、作っていただきました。タイトルの囲みの形状を円にしたり、背景にITっぽさを感じていただけるようなパターンを使ったり、各章の冒頭に入れているマンガの1コマを書名の上下に配置したりなど、全体的にやわらかい印象で手に取りやすいイメージになったと思っています。

このシリーズの書籍は今後も展開していく予定で、カバーのメインデザインは統一しつつ、背景の色合いは書籍ごとに変えるつもりです。このシリーズで書店に並んだときにカラフルで明るく、ポップな印象を与えられればいいなと思っています。

―――シリーズの書籍で並ぶと統一感があっていいですね。内容面ではどういった点を工夫されましたか?

誌面について特にこだわったのは、以下の3点です。

・章冒頭に2ページのマンガを配置
・Q&A形式の簡潔な回答
・機能やしくみをわかりやすく図解

ITテクノロジーは概念的なもの、目に見えないしくみといった要素がとても多く、「解説内容が専門的・かつ長大になりやすい」という傾向があります。特に機能やしくみを理解するには、わかりやすい図解が非常に重要です。そこで、まずよくある疑問についてQ&A形式で簡潔に答え、さらにもう少し詳しく知りたい方のために機能やしくみを豊富な図解とともに説明されるようにしました。このような構成にすることで、読みながら頭の中でイメージして理解が進むようにしています。

各章のはじめにマンガページを挿入し、親しみやすさも演出しました

もちろん図解が多いと文章を制限する必要があったり、逆にページ数が増えたりなどと、書籍のページ調整など誌面づくりに苦労しましたが、それでも「ここだけはどうしても伝えたい!」という部分は惜しみなくじっくり掲載しています。

―――最後に、この本が気になっているという方に向けてメッセージをお願いします!

Web3という言葉は数年前にバズりましたが、そのときはまだ「Web3を使って何を実現するか」という話が主体でした。現在は、Web3のテクノロジーをもとに、暗号資産やゲーム仮想世界、分散型組織(DAO)など、具体的なサービスが様々誕生しており、開発も進んでいます。この本は、Web3が私たちとどのように関わって、今後どうなっていくのかについて、たくさんの図解やイラスト・画像で触れています。本書を読むだけで重要なポイントをしっかり押さえられますので、気軽にお手に取ってもらえればと思います。

今後も、セキュリティやデータベースなど、さまざまなテーマで書籍の企画を検討中です。今後も未来にワクワクできるITテクノロジーをわかりやすく説明していきますので、ぜひ皆さんも一緒に学んでいきましょう!

―――貴重なお話ありがとうございました。「ゼロからわかるITほんき入門+マンガ」シリーズでの今後の展開も楽しみしています!