新規関数はなんと27個!『できるポケット 時短の王道 Excel関数全事典 改訂3版』ができるまで
『できるポケット 時短の王道 Excel関数全事典 改訂3版 2021/2019/2016/2013 & Microsoft 365対応』(以下、本書)の編集を担当した佐々木です。
2022年8月18日(木)に発売した本書は、2019年3月に刊行された『できるポケット 時短の王道 Excel関数全事典 改訂版 Office 365 & Excel 2019/2016/2013/2010対応』の改訂3版になります。
本書は読んで字のごとく、Microsoft Excelで利用できる全てのExcel関数が収録されています。前書では、Office 365および、Excel 2019からExcel 2010までの関数を収録していましたが、本書は昨年リリースされたばかりのExcel 2021とMicrosoft 365版のExcelで利用できる関数を新たに27個収録しました。
そのような本書について、約4カ月に及ぶ編集・制作の過程を振り返りたいと思います。
次々と見つかる新しい関数
本書の企画が承認された2022年4月、当初は16個の新規関数を収録する予定でした。「新しい関数がどのタイミングで何個追加されたのか」、こういった情報はMicrosoftの公式ページに必ずしも集約されているわけではないため、1つずつ確認していく必要があります。
幸いにも、Microsoftでは関数を検索できるページは用意しているため、漏れている関数がないかをチェックすることができました。とはいえ、新規関数かどうかの区別はつかないため、細かくチェックするのが大変でした。
そして、目次を確定させるためには、1日でも早く新規関数を見つけ出し、どのページに入れ込むのかを決定しなければいけません。新しい関数を見つけたと思えば、翌日にはまた1つ、新しい関数が見つかっていきます。そのようなやりとりを著者さんと繰り返していると、気づけば当初の16個から徐々に増えていき、最終的に27個の関数を収録することとなりました。また、確定したと思われた目次についても同様に、気づけば15回も見直しを行っていました。
しかし、収録関数が増えることで、予定していたページ数では収まらなくなっていきます。ページ数を増やすにしても、際限なく増やすことはできず、一方で既存関数を減らすわけにもいきません。限られたページ数に収めるため、新規・既存関数の両方で解説や使用例などの情報量を最適化し、発売までに至りました。
白を基調としたデザインに刷新
インプレスが刊行しているパソコン入門書の元祖である「できる」シリーズは、2021年10月に大きくリニューアルし、白を基調としたデザインになりました。「できるポケット全事典」シリーズも、これにならうかたちでデザインの刷新を行っています。本書は2022年3月に刊行した『できるポケット 時短の王道 ショートカットキー全事典 改訂3版』に続く、本シリーズとしては2冊目のイメージチェンジとなります。
前書では、Excelらしく全体を緑であしらっていました。白を基調としたデザインという前提がある中で、「Excelらしさ」を見失わずに表紙をデザインする必要がありました。
候補案はいくつかありました。デザイン刷新による新鮮さを大事にしつつも、読者に「Excel関数全事典だ!」と認識していただけるよう、色合い、キャッチコピー、フォントに至るまで、さまざまな案が検討されました。そうして最終決定された表紙が以下になります。
他の候補案としては、より明るく蛍光色に近い緑や、青緑に近い緑も検討されましたが、今まで馴染みのあった「Excelらしさ」から大きく離れてしまうため、採用はしませんでした。
表紙のデザインだけでなく、紙面も変わりました。
使用例をWindows 11 & Excel 2021の画面に差し替えたり、最新版に沿った解説にアップデートしているのはもちろん、紙面のデザインを全体的にフレッシュな色遣いに変更しています。本書を以前からご愛読いただいていた方にも新しい発見があり、同時に見た目の新鮮さも感じていただけるような紙面にできたと思います。
また、本書には関数をパッと調べられるよう、関数名から調べる「関数名インデックス」と、やりたいこと別に調べる「目的別インデックス」の2種類を用意しています。前書まではインデックスに「ツメ」を付けておらず、本を閉じた状態からインデックスを開くのが難しい状態になっていました。本書からは新たにツメを追加したことでインデックスを開きやすくなり、読者のみなさんが調べたい関数を即座に探せるようになりました。小さな変化ですが、書籍としてのユーザビリティが向上しています。
最後に
本書は「改訂3版」とあるように、3度目の改訂を迎えたロングセラー書籍になります。良いところはそのままに、読者のみなさんの声を反映させることでさらにパワーアップし、進化しました。Excel関数事典の定番書としてお役に立てれば幸いです。
◇Amazonの書籍情報ページ:
◇インプレスの書籍情報ページ: