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一度辞めたら「リアルなノウハウ」が見えてきた!?『できるOutlook 2021 Office 2021&Microsoft 365両対応』の裏話

こんにちは。インプレス、できる編集部の小野です。
16年勤めたインプレスを離れ、その後、再びインプレスに舞い戻った私がフルに担当した一冊が『できるOutlook 2021 Office 2021&Microsoft 365両対応』です。

今回はそんな一冊ができあがるまでの裏話を赤裸々(?)にお伝えしていきます。

離れている間のモヤモヤが原動力に!?

インプレスを離れた後も、モヤモヤしていた私。
長年担当してきた「できるシリーズ」のことが頭から離れなかったのです。
そんな中で『できるWindows 11』を皮切りに、シリーズのリニューアルを知ることになります。
安心した気持ちもある一方で、「自分がいる間にできなかった」という複雑な心境もありました。
そんなことも影響し、一度辞めたインプレスに戻ることになったのです。

そして久々にフルで担当することになった「できるOutlook」の改訂にモヤモヤを払拭(?)すべく、並々ならぬ気持ちで取り組むことにしていたのは、内に秘めたる思いでした。

リニューアルされた「できるシリーズ」を見た印象は「とてもよい!」でしたが、一方で複雑な気持ちに……。

ブラッシュアップのネタはセオリー通りでいいのか?

さて、この「できるOutlook」の歴史を遡っていくとその誕生は1997年まで遡ります。
「できるOutlook 97 Windows版」がその原点です。
その後、改訂を重ね、これまでに8冊が世に生み出されています。
もちろん、担当編集も代わっています。
改訂の度にブラッシュアップを加えられ、脈々と受け継がれてきたといえます。

そういえば、初代「できるOutlook 97」が出版されたのが1997年8月。今から25年前のことです。
当時はWindows 95にOffice 97という組み合わせですね。
自分にとってノートパソコンは高嶺の花。パソコンといえばデスクトップが主流の時代です。

おっと、昔話になってしまいました。
話を戻します。

一度辞める前のインプレス在職中には、できるシリーズをメインに担当し続けてきました。
その間、新しい企画はもちろん、改訂版も数多く担当してきました。

これまで自分が改訂版を手掛ける際には、以下のような考え方で
ブラッシュアップするように心がけていました。

  • 読者にとって有用な新機能を盛り込む

  • 前書の課題点を洗い出し、改善する

  • 「できるサポート」に寄せられた問い合わせ内容を有効活用する

※「できるサポート」とは「できるシリーズ」の書籍を購入されたお客様が利用できるサービス。書籍内で解説している内容に関する質問を、電話やメールで問い合わせられます。無料で利用可能です。

ある意味、王道といえば王道の考え方といえるでしょう。
しかし今回、新たに加わった考え方があります。

それは「前職で得た知見を生かす」でした。

一度、離れたからこそ得られた「知見」を生かせ!

インプレスを離れ、改めて復職したことはすでにふれた通りです。
16年間、編集職をやってきた私ではありますが、前職はいわゆるホームページ制作会社でWebディレクターの職に就いていました。
プレゼンにはじまり、契約からヒアリング、デザイナーやコーダーのディレクションにサイト公開後のアフターフォローなど、その業務は複雑多岐に渡りました。

営業的な立場も求められ、人に合うことも多く、コミュニケーションが大切な職場でした。
そんな中で業務にバリバリ使っていたのがOutlookだったのです。
あまり詳しくは語れませんが、とにかく数をこなすのが重要だったこともあり、日々発生するタスクを如何に効率よくさばいていくか、という点でOutlookは非常に役立ちました。

そんな日々で得た経験を改めて思い返し、厳選してこの本には盛り込んでいます。
なお、本書の著者である山田祥平さんには、私の想いをくみ取った原稿を執筆いただくことができ、編集者冥利に尽きる思いです。

改訂版は意外と大変!? 迷ったら原点に立ち返れ!

そんな経緯で、これまでにない視点をもってブラッシュアップに努めたわけですが、目次案の編集長によるチェックで言われたのが……

「あまり変わった印象がない。リニューアル後のウリである基本編・活用編の2部構成やライバル書をいま一度意識してほしい」

というものでした。
これまでになかった基本編・活用編の要素を取り入れてはいたものの、確かに「単純に」分割してしまっただけ、という見方もできました。

さあ困りました。読者目線はもちろんですが、どこに手を入れるのか。
編集長と議論をする中で導き出された答え、それは以下のようなものです。

「Outlookの機能で一番使われている機能は何か?」

Outlookにはさまざまな機能が備わっています。予定表や連絡先、タスク、メモなどです。
その昔、スマートフォンの前身となるデバイス「PDA」(電子手帳)が流行った時代に、OutlookはPDAと連携することができました。
そういった意味では、個人情報を管理するアプリとしてのイメージもあるのです。

しかし、改めて思い返すと、最も使われている機能は「メール」ではないかという結論に至りました。
実際に前職で自分が最も使っていた機能もメールに他ならなかったのです。
そこでメールに関する内容を、拡充することになりました。
結果、前書ではメールを題材にした章が2つに対し、改訂版では3章分をメールの解説に充てています。
いままで、1つのテーマは1つの章に集約するという考え方に凝り固まっていたのだと思い知らされました。

ちなみに各章は切り口を変えて、まずは基本の使い方(第2章)にはじまり、メールといえば整理が重要なので整理や管理に特化した章(第7章)を、そしてメールの作成などそれ以外の便利な使い方などをあつかった章(第8章)と利用シーン別に分けています。

また、スマートフォン全盛の時代ですので、スマートフォンに特化した章を設けた点も大きな特徴といえるかもしれません。

前書に比べて、メールに関する章が増えました。ちなみに、ページ数も前書から32ページ増量しており、大幅にパワーアップしています。

ここはぜひ見て! 超個人的におすすめしたいレッスン

そんなこんなで形になった本書ですが、すでにふれたように前職で得た知見を盛り込んでいます。
レッスンの手順として組み上げたものから、手順に関連した知識や一歩進んだ使い方などが分かる「使いこなしのヒント」「スキルアップ」「ここに注意」まで大小さまざまなかたちで散りばめています。

そんな中、超個人的におすすめするレッスンがあるとすれば、第7章・レッスン54「メールのテンプレートを作るには」です。
仕事をしていると、ある程度決まった内容のメールを送る機会が多いのではないでしょうか。このレッスンではメールの内容をある程度テンプレート化する方法を解説しています。前職ではこの方法で、メール作成のスピードが格段に上がりました。また、メインとなる手順の脇を固める「使いこなしのヒント」にもこだわって作っています。
(仕事のミスや苦い経験に裏打ちされたネタがあるとは口が割けてもいえま、、、ゲフンゲフン……)

詳しくはぜひお手に取ってご覧ください!
この本が少しでも人の役に立つものでありますように。

章の冒頭にある「イントロダクション」では、利用シーンを想起させるようなかけあいを盛り込んでいます。

■書誌情報
書名:できるOutlook 2021 Office 2021&Microsoft 365両対応
著者:山田祥平&できるシリーズ編集部
発売日:2022年10月4日
ページ数:288ページ
サイズ:B5変形判
定価:1,628円(本体1,480円+税)

・インプレスブックス

・Amazon.co.jp


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