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モンスターハンターライズの防具を扱った「超服飾学」は「超生物学」より難しいクエストだった?

こんにちは、デジタルプラス編集部・田中です。

突然ですが、みなさんはモンスターハンターをプレイしたことはありますか?

「ご存知の!」というつもりで書いていますが、ご存知ない方もいらっしゃいますか?

モンスターを狩るゲームです。

……だけじゃなく、武器や防具などでも楽しめ、プレイヤー同士の交流も盛んなゲームです。ハンターランクの高いお友達は貴重です( ̄▽ ̄;)
ちなみに自分はPSPの頃から狩っていますが、下手です。

上手い下手ではない! 好きか大好きかである。

 最新版は「モンスターハンターライズ」です。

インプレスに何の関係があるのかというと、「モンスターハンターライズ」の防具にこだわった書籍が出ました。

カバーは、ちょっぴりオシャレに仕上げてみました。

 各分野の専門家の方々に語っていただいている、いたって真面目にバカをやっている、とてもためになる書籍です。

2年程前に出版しました『モンスターハンター 超生物学 モンスター VS 生物のスペシャリスト』(以下「超生物学」)と同じスタッフで作りました。当時、SNSでも反響がすごかったです。

こちらは、モンスターが現実にいたらどんな生態? 味は美味いの? とか語っています。

今回の書籍も自信作ですが、さて、なぜ「服飾学」になったのか。そんな経緯を、企画と編集の担当をしていただいたスタジオエクレア(以下エクレア)さんと話をしてきました。


ダメ出しがあったからこそ辿り着いた「超服飾学」の企画

田中 『モンスターハンターライズ 超服飾学 お気に入りの1着がもっと好きになる!』(以下「超服飾学」)は、前にご一緒した「超生物学」がなければ出てこない企画でしたね。

エクレア モンスターを生物学的に考察するという試みは楽しかったですね。『深海生物〜奇妙で楽しいいきもの〜』『美しい鳥ヘンテコな鳥』など過去に生物に関する書籍を編集したことで専門家の方々と繋がりを持っていたので、オファーから執筆までは意外とすんなり進みました。カプコンさんにも資料提供や監修などかなりお世話になりましたし、「超生物学」でゲーム開発者と専門家の対談も実現しました。

田中 今回も自分としては「超生物学」の続編がやりたかったんですよ。でも新規のモンスターが1冊作るには足りなかった。

エクレア そうなんですよね。じゃあ何ができるかなと考えた時に、『モンスターハンターライズ』のウリのひとつが防具の豊富さだったので、防具をテーマにした企画はどうかなと。ただ、最初の時点では『モンスターハンター』シリーズの防具を全部収録して、ファッション絡みのコラムを入れる……といった内容でした。

田中 カプコンさんに提出したら、すぐにダメ出しされちゃいましたね(苦笑)。

エクレア カプコンさんは面白いと思ったら即OKして下さるので、単純に企画として面白くなかったんですよね。なので、「超生物学」のように専門家が防具を考察するという内容に舵を切り直して、どういう切り口で考察してもらうか、かなり頭を悩ませました。

田中 手直しした企画書を見た時、内容よりも専門家が集まるのかが不安でした。特に甲冑関係の専門家となると、人選も大変そうですし。

エクレア まさにそこが最初の壁でしたね。日本甲冑、西洋甲冑の本を漁ったり、ネットやSNSで詳しそうな人を探したりして、何人か候補を立てて。特に西洋甲冑は日本に詳しい人がほとんどいないので、西洋甲冑師の三浦權利さんの弟子である奥主さんにコンタクトをとり、直談判してどうにかお願いすることができました。

田中 他の方にはわりとスムーズにオファーできたんですか?

エクレア そう……でもないですかね。そもそも「ゲームに登場する防具を考察する」という企画主旨自体を理解していただくのが難しくて。しっかり理解していただくまで説明して、原稿執筆や監修の途中でも不明点があれば随時やりとりして軌道修正するという感じでした。

田中 そのあたりの苦労は聞いてはいたのですが、自分はどちらかというと前倒しでものを進めたいタイプなので、スケジュール的には何度かヒヤリとしました(笑)。

エクレア 監修者の方が忙しくてなかなか原稿が進まなかったり、大きな修正があったりで……写真と図版を揃えるのにも骨が折れました。甲冑関連の写真はきちんとした出所でないと詳しい方から突っ込まれてしまいますし、今回お願いした専門家の方からも「やるならきちんとした資料を掲載したい」と強い要望があったので、ご本人からお借りしたりしました。1枚の写真に何カ所も許諾を得なければならなかったりする写真もありました。

田中 衣装を着てみたい、と思う方への手助けでもあるのですが、コスプレ関連の写真(ファーや蛇柄のフェイクレザーなど)も多く掲載していますよね。用意するのは大変でした?

監修者さんたちの資料はマニア垂涎ものかも。

エクレア 執筆と監修をお願いした宝塚大学東京メディア芸術学部助教の松浦李恵さんがかなり揃えて下さったので、そこは助かりましたね。

田中 コスプレにも縫製にも詳しくないので、原稿チェックでは「接着芯って何?」「ここの作り方をもっと詳しく」とか、大量に書き込みを入れちゃって申し訳なかったなと。

知らない用語を知るのは楽しいです。

エクレア いえ、フラットな目線でツッコミを入れていただかないと、どうしても説明不足になってしまうので良かったです。弊社もコスプレや甲冑について詳しいわけではなかったので、資料や監修者とのやりとりで勉強しながら手探りで製作していました。

田中 ゲームの設定との兼ね合いもありましたからね。そこはカプコンさんがチェックして下さって、エクレアさんに上手くまとめてもらいましたけど。あとはカバーまわり。当初は防具をきれいに並べたクラシカルなデザインだったのが、二転三転して。

エクレア 海外のおしゃれなファッション誌風に落ち着きました。デザイナーさんにはご苦労をおかけしてしまいましたが、最終的には加工も施してもらって素敵なデザインになったかなと。その節は田中さんにもお手数をおかけしました。 

カバーは、ぜひ店頭で見ていただけると! テカテカの加工がタマらんのです。

田中 カバーは本文よりもタイトなスケジュールになりましたが、いい感じに仕上がって良かったです。攻略本や設定集とは一線を画したデザインで、書店でも目立つと思います。とりあえず「超服飾学」が発売されたので、またエクレアさんには新規の企画を考えていただかないと。

エクレア ご期待に添えるよう頑張ります(笑)。

これからの季節、天気が良いときは距離を保って外で狩りですよ。

 世界的に大ヒットしているモンスターハンターシリーズ。それに関する書籍はたくさん出ていますが、攻略要素が無くてもここまで楽しめる書籍が作れるのは、ゲームの持っているポテンシャルの高さだと改めて感じました。次もまた企画を考えていきたいと思ってます!

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