もうすぐ閉店、三省堂書店神保町本店
書店の街、神保町のランドマークともいえる、三省堂書店神保町本店の閉店が迫っている。2022年5月8日の日曜日に一時閉店。現在のビルが立て替えられ、2025~26年度の開業を目指すとのこと。あったものがなくなるのはやはり寂しい。ぼくにとって三省堂書店神保町本店は特に思い入れの深い書店だ。
もう30年以上前のことになるが、新卒で就職した出版社がお茶の水にあり、神保町本店は身近な存在だった。調べてみると神保町本店は神田店として、1981年3月に竣工しているから記憶違いではない。
当時のデザイナーが神保町本店のすぐ裏のビルに事務所を構えていたため、材料を届けに足を運んだ。現在のように、メールで送るという時代ではなく、ラフとネーム、写真などをもってデザイナーに説明しに行っていた。まだ駆け出しだったぼくは書店の売り場をあまり見ることもなく、編集長によく「書店をのぞいてこい!!!」とどやされていたものだ。その時の行き先が神保町本店だったわけ。デザイナーに材料を渡した後に立ち寄っていた。ただ、何を見ていいかわからず、すぐに出てきてしまっていたから、当時の売り場のことはほとんど覚えていない。
それから数年後には転職したため、神保町からは離れてしまったが、ぼくにとっての神保町のランドマークは、ずっと三省堂書店神保町本店だった。
それから20年以上の年月が過ぎ、ぼくは神保町に戻ってきた。市ヶ谷にオフィスを構えていたインプレスが神保町に移転したからだ。新卒当時に通っていた、人生劇場の前にあったひとりすき焼き屋や、ポンチ軒の近くにあった中華屋はなくなっていたけれど、三省堂書店神保町本店は当然ながら、そこにあった。近くには書泉グランデや東京堂書店もあるのだが、棚を眺めにいくには三省堂書店神保町本店がメインになった。5階のPC書の棚から始まり、その奥の技術書、素材集を見て、4階のカメラ書からデザイン書を一通り眺め、気になる新刊をチェック。それからは3階のビジネス書、資格書、スポーツあたりを覗き、2階で文庫見て、1階の雑誌と話題書を確認。
と、パトロールのようですが、まあパトロールです(笑)。どんな新刊が出ているか、何が推されているか。いつも見ているから何が変わったかもわかりやすい。気になる新刊は購入して会社ですぐチェックする。そんな日々も終わる。