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『テレビ会議で顔を出せ! リモートワークの新常識45』が説く「新常識」とは? ポイントは「妥協を無くすこと」&「セルフマネジメント」

2022年4月25日に発売された『テレビ会議で顔を出せ! リモートワークの新常識45』は、リモートワーク研究所を主催する、ソニックガーデンの八角嘉紘さんが、長年の経験に加えて、ここ最近のリモートブームの中でいろいろ受けた、リモートワークに関する相談やコンサル経験を元にまとめられた一冊です。今回は、その「新常識」とはいかなるものなのか、書名の由来について、八角さんに語っていただきました。

リモートワークに関する相談時に出くわす「暗黒テレビ会議」

コロナ禍をきっかけに、多くの企業がリモートワークを検討することになり、実際に取り組んだところも少なくありません。結果として、うまく導入できた企業もあれば、そうでないところもあったでしょう。
 
ただこの先、たとえコロナが収束したとしても、以前のように戻るわけはなく、多くの企業や働く人にとって、リモートワークは働き方の一つの選択肢として残り続けるのは避けられないように思います。
 
私は職業柄、リモートワークに取り組む方々から働き方、リモートワークにおける成果の上げ方やコミュニケーション方法について相談を受けることがあります。
 
また社員の方を集めてのリモートワーク研修なども行っています。その現場でたびたび出くわすのが「暗黒テレビ会議」です。暗黒テレビ会議とは私が作った言葉ですが、文字通り真っ暗な、誰もカメラをオンにしないテレビ会議のことを指します。

暗黒テレビ会議とは誰もカメラをオンにしないテレビ会議のこと

10年の経験でわかったリモートワークのポイント

リモートワークはオフィスワークと仕事の仕方が大きく違う、と思われがちです。実は全然そんなことはなく、リモートワークという働き方を進めていけばいくほど、オフィスワークと近づいていくものだと思っています。
 
たとえば、上手にリモートワークをするためのコツの一つが、「テレビ会議では顔を出すこと」。オフィスワークでは普通だった顔を出して、表情、身振り手振りを交えながら話をすることが普通でしたよね?
 
それをリモートワークでも再現すればいいのです。人間同士のコミュニケーションは音声だけでなく表情から伝わる情報が沢山あります。それを欠かして暗黒テレビ会議で信頼関係は築けません。(ネットワークの制限から映像を映すことができない企業がいるのも重々承知しています)
 
リモートワークのポイントはリモートワークのメリットは残しながらも、「オフィスワークを再現すること」なのです。

著者宅のリモートワーク部屋。所属するソニックガーデン社は、コロナ前からフルリモート体勢で、出社せずに千葉の自宅で業務を完結している。

一斉にリモートワークが始まったことで生まれた多くの妥協

暗黒テレビ会議の他にもリモートワークとオフィスワークとが離れてしまっていることが多くあります。

  • 顔が見えなくても、仕方がない…

  • 会議がやりにくくても、仕方がない…

  • チームの一体感がなくても、仕方がない…

  • 声がかけにくくても、仕方がない…

  • レスが返ってこなくても、仕方がない…

こんな諦めや妥協ともいえるような声が、リモートワークを始めたばかりの企業だけでなく、1年以上もリモートワークを続けた企業からもよく聞きます。
 
これらはリモートワークのよくある失敗にはまっているケースです。当然こんな状態では成果など上がるはずもありません。
 
一方で、リモートワークでもチームワークを活かして成果を上げている人たちもいます。そうした上手くいっている企業に共通するのは会社側の制度や環境の整備はもちろんですが、根本的には上記のような妥協・諦めを無くすことです。
 
そしてもう一つ大事なポイントは、「働く個々人がリモートワークに適したスキルや考え方を持っている」という点です。

リモートワークの世の中でも本当に使える仕事のスキルを身につけてほしい

リモートワークには、自律的に考えて行動するセルフマネジメントが欠かせません。セルフマネジメントとは、その名の通り自分自身をマネジメントすることです。
 
オフィスで働いていれば、上司や同僚もいて働いていることは明白でしたし、ちょっとした相談も気軽にできました。
 
それがリモートワークになれば働く様子が見えないことで、上司は心配になるし、もしかしたら監視までしようとする人も出てくるかもしれません。しかし、そんな状態ではモチベーションも保てません。
 
もしセルフマネジメントができていれば、自分自身で仕事の進捗を上手に可視化して上司に伝えることで、信頼関係を築くことができるでしょう。同僚とのオンラインでのコミュニケーションもうまくいけばチームワークも発揮できます。セルフマネジメントを身につければ、リモートワークに限らず多くの場面で活躍できる人材になることができるでしょう。

リモートワークの理想型。自宅でもカフェでも旅先でも、さまざまなツールを活用して同じ空間で働いているかのような環境を構築し、場所にとらわれない働き方を実現しよう。

本書には、リモートワークを10年以上も続けてきて本当に効果があったノウハウを整理して詰め込みました。そこから真似できることは試し、合わなければサクッとやめ、そしてまた新たなことを試していってください。
 
働き方に正解はないですが、そういった試行錯誤を繰り返していくこと、それを習慣化できれば、きっとリモートワークでも成果を上げる人になれるでしょう。本書が、そのための一助になり、無意味な暗黒テレビ会議がなくなれば幸いです。

八角嘉紘(ほすみ・よしひろ)
大手コンサルティング会社で事業推進に関するコンサルティングを経験。現在はリモートワーク研究所所長、「仮想オフィス」のプロダクト責任者を務めている。全社員リモートワークで事業運営を行いながらも成果を上げてきたノウハウを、広く世の中に提供する活動をしている。成田市にてリモートワーク中。

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