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【編集者の書棚から】#本好きの人と繋がりたい Vol.19

出版社は本好きの集まり。この「編集者の書棚から #本好きの人と繋がりたい 」では、毎回2~3人の社員が、いち読者として最近手に取った書籍を紹介していきます。「書棚を見ればその人がわかる」とよく言われるとおり、インプレス社員の人となりが垣間見えるかも(?)なマガジンです。今回ご紹介するのは、『「ツレ」がいるから強くなれる!バディ入門』トミヤマユキコ 著(大和書房)と『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』井上新八 著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の2冊です。


フィクション/ノンフィクション問わず、バディは実に多種多様

みなさん、2人組って好きですか? 嫌いな人なんていませんよね? くらいの気持ちで生きてきた私だが、世間一般よりはちょっと2人組が好きなほうだという自覚はある。とはいえ、2人だったらなんでもいいという訳ではない。雑に言えば、カップルにはさして興味はないが、それこそ「バディ」的な2人には引かれる。

そんな折に本書が出ると知り、自分はどんなバディを求めているのか、本当は何が好きなのかを考え直してもいいのではないかと思った。何より、大学時代の恩師の著書というのもあり、手に取ることにした。

私が主に好きなのは男性アイドルの2人組であり、本書においては第12章「『シンメ』と『ケミ』」が分野としては近い。しかし、私がその2人に見出しているものはどちらかというと第6章「芸だけじゃなく人生まるごと見せてほしい!」にある、芸人の関係性に比較的近いように思った。

私の好きな2人組がグループになったのは互いに中学生のときで、自発的に組まれた訳ではない。しかし、それが結成から考えると30年以上続いていて、今後も続けようとしていることに、大人としての本人たちの意志を感じている。

大人になってからもバディに出会える、というのは「女バディ」をテーマにした第5章でも触れられている。ここで挙げられている人たちに詳しい訳ではないが、私は大人が自ら2人で活動しようとしているのが感じられる、そんなバディが特に好きなのではないかと思った。

もう1点、本書ならではのユニークなポイントを紹介したい。それは、本書冒頭にある通り「編集担当のSさんが注釈を担当することで我々なりのバディ感を出していこうと」していることだ。

本文とともに注釈が付記されること自体は珍しくはないが、これがバディとして書かれた注釈ということで、セットで読むべきだろうという気にさせられた。実際読んでみると、Sさん自身のパーソナルな部分が出ており楽しい。個人的には「阿佐ヶ谷姉妹」の注釈がツボで、読んでいて声が出てしまった(家でよかった)。

ここでは触れられていないが、他にもフィクションも含めた多様なバディ(男女、新旧、兄弟、モノ、使い魔etc…)が登場する。バディとして意識したことがなかったものもあり、自分の「バディ」好きなんて本当に限定された範囲の話だったのだなとも思った。筆者は「バディ脳」が発達したとのことだったが、私も読了後の観劇でバディ脳がかなり働いて、その作品に対してまた別の軸を持って見ることができて楽しかった。バディに関心がある人もない人も、新たな視点が得られるようになる本だと思う。(編集部・佐川莉央)


多忙な日々から「変化」のきっかけとなった1冊

編集者って結構忙しいんです。
それは本作りにはクリエティブな作業があって、完成度を高めようと時間をかけて案は練りたいし、ミスがないように校正に時間を充てたい……。そうこうしていると、1日の大半は仕事のことを考えています。もちろん、好きだから、楽しいから、という前提でね。

『続ける思考』は、最近、仕事をご一緒した装丁デザイナーさんの著書です。

機会があって、この本を手に取って読んだのですが、これがかなり面白い。多分、同じクリエイティブな業界にいて、その中でうまく時間を使っているからなのでしょう。例えば、朝4時に起きて今日やるべき仕事は9時頃までにすべて終わらせる。しかも、年間200冊くらいの本のデザインをしながら、ジョギングもするし、ゲームもするし、本も毎日1冊読む。ルーティンとして、日常に組み込んで、「続ける」ことで実現しているようです。

いくら仕事が好きでも、仕事以外の時間は欲しいし、一念発起したことも「仕事が…」という理由でいつの間にか辞めてしまう。しまいには、早めに終わっても疲れてボーッと寝るまでの無駄に過ごしてしまう……。
そんな人は、たくさんいるんじゃないかな~って思います。この本では、「無理のない範囲で始める」「何かとセットにする」、そして「毎日やること」が、続けるためのポイントと言っています。
かく言う僕も、仕事にかまけてなかなか続かない人。ということで、この本の紹介をもって、『毎日運動を続ける』ことを毎日続けてみようと思います!
今を「なんとかしたい!」と思っていた、自分にビビッときた本なのでした。(編集部・関口雄也)


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