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第2弾を作る難しさ『3色だけでセンスのいい色PART2』

いい色の日(11月16日)でなく、本日いい夫婦の日(11月22日)の日に書籍『3色だけでセンスのいい色PART2』が発売されました。
 
書籍『3色だけでセンスのいい色』とは、色彩の知識がない方でもマネするだけで配色がおしゃれになる、3色配色に特化した配色を紹介した書籍です。
発売後は、たくさんの方にご紹介いただき即日重版。現在累計17万部突破(2022年11月現在)。そして、本日待望の第2弾『3色だけでセンスのいい色PART2』が発売されました。今回は担当編集うえだがこの本ができるまで、について語ります。

「そろそろ第2弾、作りませんか?」

著者のingectar-eさんと『とりあえず、素人っぽく見えないデザインのコツ教えてください!』の発売後、次の企画は何をしようと相談の電話をしているとき

「そろそろ、3色だけでセンスのいい色の第2弾を作りませんか?」
 
と私からの提案でこの企画はスタートしました。
提案時は累計12万部、重版は毎回1万部規模、SNSでも「第2弾を出してほしい」という声もチラホラ見かけ、まだまだ3色配色を求める人は少なくないなと思ったのと、発売から2年が経過し、新しいトレンドカラーも生まれていたのでご相談しました。ingectar-e代表の寺本さんからも
 
「3色ですね。わかりました。やりましょう」
 
とお返事いただき、まずは寺本さんの方で第2弾に収録するカテゴリー決めをしていただきました。
 
この本は8つのカテゴリー別に様々なテーマの配色を掲載しています。
なので、まずは第2弾でどんな章立てにするのか決める必要があります。
意外とこの章立て決めが重要で、書店によっては第2弾だけ陳列される店舗や、前作を知らず第2弾を手に取る読者がいます。なので、あたり前ですが

  • 第1弾と違い、新鮮味のあるカテゴリーで構成

  • 配色のバリエーションが変に偏らないように

  • 第1弾、第2弾のどちらかだけ購入しても配色シーンで悩まない実用性

という点を踏まえて考える必要があります。

こちらが寺本さんからいただいた最初の章立て案。各章のイメージなどをまとめていただき、書籍の内容を作っていきます。
打ち合わせを重ねて、第2弾はこちらの8つの章立てになりました。

紙面のデザインサンプルの役割は「色のイメージ」を伝えること

カテゴリーが決まった後は、実際に収録する配色を決めていきます。配色は写真のように書籍に収録するすべての配色をingectar-eさんから一覧でご提案いただきます。紙面を作る前に、「色やトーンに偏りがないか」「各章のテーマがしっかり伝わるラインナップ」になっているか、すり合わせします。

書籍ではこちらの内容からさらにブラッシュアップしています。

配色が決まれば、紙面を量産に。『3色だけでセンスのいい色』では1テーマごとに2 ページで配色と配色を使ったデザインサンプルを掲載しています。

書籍『3色だけでセンスのいい色PART2』の紙面

ここで一番、重要なのは紙面に掲載する「デザインサンプル」はデザインの見本でなく、あくまで「色の見本」であることです。本書を見た読者に「このデザイン素敵」ではなく「この色いいな」と色のイメージを掴み取る役割として掲載しています。

初回提案のデザインサンプル

例えばこちらの作例、「ハッピーな蛍光カラー」という配色の紹介ページで初回に提案いただいたデザインサンプルです。とっても素敵なデザインですよね。
しかし、作例をパッと見て目に留まるのは「素敵なデザイン」という印象でした。柄や文字加工などで色のイメージが掴みにくい印象。主役は色なので、デザインでなく色が飛び込んでくるように、ingectar-eさんに再考をお願いしました。

再考で届いた修正案

修正案がこちらです。パキっとした楽しげな蛍光カラーのイメージがとっても掴みやすくなりました。こんな感じで「デザイン素敵です!ただ、色のイメージが掴みにくいので再考を!」という私の赤字を元に、ingectar-eさんには作例の修正をかなりお願いしました。素敵なデザインを修正するなんて、ingectar-eさんはとても苦労されたでしょう…。

カバーは姉妹本でなく、「第1弾VS第2弾」となるように

『3色だけでセンスのいい色』のカバーは写真をメインビジュアルとしたデザインになっています。

前作『3色だけでセンスのいい色』のカバー。マカロンの写真をビジュアルに。

マカロンの次もお菓子のビジュアルが書店に並ぶと可愛いく店頭で目立つ、ということで初回のデザインは3段のアイスクリームでご提案いただきました。

今作の初回デザイン案

このカバーを見た私の第一印象は

「マカロンに負けてる・・・・汗」

そう、第1弾と第2弾を横に並べると、どうしてもマカロンの方が目立ってしまうのです。もちろんシリーズなので、姉妹のように仲良く並んで可愛いデザインでしたが、初回案だったので他の写真のパターンも追加案で出していただきました。

他のデザインラフ。ドーナツ、色違いのマカロンなど色々試していただきました。

色々案を出していただき、3色がパッと視認しやすいアイスキャンディーがいいかも、となったのですが、現状のデザインだとまだマカロンに負けてる…。
社内で「シンプルな続編でなく、第2弾の方が可愛いでしょ!!という勢い感じる内容になっているね」と内容の感想をもらっていたので、この本は前作とは違う魅力ある負けない本になっていると感じていた私はアイスキャンディーのデザインベースで、

本書は仲良くシリーズで書店に並ぶのではなく、
店頭で「第1弾VS第2弾」となるデザインでお願いします。

というとても難しい要望を伝えました。もちろん、シリーズ本なので、シリーズと見えないといけないので、デザインに制約があるなかでのお願いです。きっと、ingectar-eさんは私の無理な要望に頭を抱えたことでしょう…汗。そしてメール、テレカン、電話と何度も打合せを重ねて完成したのがコチラ。

完成したカバーデザイン

いかがでしょうか。レトロなアイスキャンディーと絶妙なくすみピンクのカバーと、それを中性的に引き締めるブルー帯。先ほど紹介した、この本の章立て案のイメージが伝わります。前作と並べても負けないインパクトあるデザインになりました。「カバーを見るととってもワクワクする!」と、社内でも大好評!! 

という感じで、今作は「第2弾」という枠のなかで、

  • 前作と何が違うのか

  • この本のテーマをどう表現するか

の2つに、悩みながら制作しました。枠があっても枠を超える面白さと便利さにこだわってingectar-eさんと作った1冊です。ぜひ、今作も色迷子の皆様にお役にたつ1冊になりますように。

▼書籍はこちら

▼ingectar-eさんが語る
『マネするだけでセンスのいいフォント』の制作の裏側


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