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入門者からエキスパートへ! 独自のノウハウがたっぷり詰まった「できるエキスパート」シリーズ

「この本の企画ってどうやってできたの?」「本のタイトルってどう決めているの?」担当編集者が普段見せない本づくりの裏側やこだわりを紹介する本企画。今回ご紹介するのは、10月2日にシリーズ5冊目となる『Copilot Studioで作る業務効率化のAIチャットボット』が発売となる「できるエキスパート」シリーズ誕生秘話をご紹介。シリーズの特徴や、イチオシポイントなどを担当編集・高橋に聞きました。

今回のCopilot Studioでシリーズ5冊目!

―――シリーズ5冊目に「Copilot Studio」の書籍が発売になりますが、そもそも「できるエキスパート」とはどのようなシリーズなんでしょうか?

「できるエキスパート」は、仕事で役立つデジタル分野の知識を習得して、スキルアップしたい人に向けたシリーズです。「入門書」という位置付けですが、「サクッと内容が理解できる」というよりも、しっかり踏み込んで理解・習得できるように「基本編」「活用編」「応用編」の3部構成にしているのが特徴です。各パートを順に読み進めることで段階ごとに、ステップアップしていくイメージで、使い方や知識が身に付くようになっています。

各パートで解説されている内容についてはカバーのソデに掲載しています。

―――入門レベルから、基本、活用、応用の3ステップを習得していくことで「エキスパート」になれるんですね! このシリーズが生まれた背景にはどんな理由があったのでしょうか。

シリーズの内容を検討し始めたのが、2022年ぐらいで、そのときは「リスキリング」という言葉が流行語になるぐらい、組織内の業務を改善したり、新しい技能を身に付けたりすることが話題になっていました。あと、私の肌感覚になってしまうんですが、それに加えて、2021年ぐらいあたりから、ローコード・ノーコードがより広く注目されるようになってきている感じがしていて。で、そういった本格的なプログラミングまではいかないにしても、ある程度の知識が必要で、かつ実務で即役立つアプリやツールに関する解説書のニーズがあるように思い、このシリーズを考えました。

―――ローコード・ノーコードは一般的にも広まってきた印象がありますね。時代に求められた企画だったのですね。続いて、制作するうえでのこだわりや大切にしていることがあったら教えてください。

普通のことになってしまうんですが、操作手順を説明するのではなく、使い方のノウハウが身に付く本にするために、とにかく「目的」「理由」「結論」が解説されていることを大切にしています。

例えば、「ここをクリックして、ここを選択します」という説明だと、「なぜそうするのか」が不明瞭で、結果的に操作の流れのみしか分からない内容になってしまいます。
画面のスクリーンショットと一緒に操作手順ももちろん入れていますが、本文で説明する内容は操作手順の繰り返しではなく、「こういうときは、この機能を使うと便利。なぜならこれはこういう働きをして、結果的にこうなるから」といった「何のためにそうするのか」「どうしてそうすると良いのか」といったことまで言及していただきたいことを原稿をやり取りする段階で著者さんには伝えています。

「めんどくさいやつだな……」とか、「これはこういう機能だからこうするしかないのだが……」と思われているかも(?)しれませんが、ある意味、私が読者と一番近い知識のレベル感だと思うので、しっかり説明が盛り込まれていることを大切にしています。

―――なんのためかを理解して行う作業と、やるだけの作業ではおもしろさも全然違いますしね。エキスパートになるためには大事なことですね。難しい題材だけにまとめるには苦労もありそうですが、特に大変なのはどんな点でしょうか。

これも普通のことになってしまうんですが、一から作るので、操作手順や動作の検証、原稿チェック、ラフの作成、組版用の素材準備など、ゲラにする前の段階で編集として手を動かすことが多いところでしょうか。この書籍で解説しているツールがほんの少し複雑なところもあるので、それもあって結構時間も掛かることが多いです。

書籍制作中に作るラフ。操作手順に間違いやエラーがないか確認しながら作っています。

あと、本書内で解説しているツールが割と頻繁にアップデートするところも少し大変かもしれません(笑)。

今回のCopilot Studioの場合、入稿直前に書籍内容に大きく影響するアップデートが適用される、という情報があり、いつ反映されるのか分からず「どうなるんだろう……」と若干の懸念がありました。
結果的に入稿1週間前にそのアップデートが適用され、著者の益森さんのおかげで、迅速に内容を差し替えて、入稿することができたので良かったですが、アップデートによる内容の差し替えの心配は毎回あります。
こればかりは仕方なく、そうなってしまったらやるしかないので、対応さえ決めておけば問題ないのですが、画面の表示や仕様が急に変わったりすると……。「入稿後じゃなくてよかった」と思うようにしています(笑)。

―――新しい技術の紹介には避けられない問題ですね! 最新を反映する姿勢に頭の下がる思いです。では最後に、「できるエキスパート」シリーズのイチオシのポイントを1つお願いします!

「できるエキスパート」シリーズは、著者さん自らの経験を基にしたノウハウがいっぱい詰まった一冊になるように作っています。このシリーズの書籍は毎回どのテーマでも、最初予定していたページ数から20~40ページは増えているんですが(増えすぎ)、それぐらい著者の方々が読者に伝えたいノウハウをたくさん盛り込んでくださっています。

新しい知識や技能を身に付けてスキルアップしたい方の一助になれば、という想いで作っていますので、ぜひ手に取ってみていただけたら嬉しいです。

―――編集者のこだわりもたくさん詰まっていますね! 高橋さんありがとうございました!