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資格試験の強い味方! 試験対策書「徹底攻略シリーズ」のこだわりと、リニューアルについて編集者に聞きました

「この本の企画ってどうやってできたの?」「本のタイトルってどう決めているの?」。担当編集者が普段見せない本づくりの制作の裏側、こだわりを語るマガジンです。今回ご紹介するのは、インプレスの資格試験対策書「徹底攻略シリーズ」について、企画を考えた経緯や制作中のエピソードを担当編集・小田に聞きました。

今回ご紹介する「徹底攻略シリーズ」

―――2月5日に『徹底攻略 基本情報技術者教科書 令和7年度』が発売されました。基本情報技術者試験の対策書がたくさん発刊されている中で、「徹底攻略シリーズ」の特徴を教えてください。

「徹底攻略シリーズ」はIT技術者向けの資格試験対策書シリーズです。黒を基調としたカバーの書籍(通称:黒本)と白を基調としたカバーの書籍(通称:白本)の2種類があり、黒本は主にITベンダー系資格、白本は情報処理技術者試験の対策書となっています。シリーズ全体の特徴としては、各分野のエキスパートである著者陣による丁寧な解説と、試験対策の重点項目が一目でわかる紙面構成が挙げられます。この1冊があれば合格できる、フルスペックな対策書となっています。

左が黒本で、右が白本です。

私が担当している白本は、解説を読んですぐ例題を解くことを繰り返して実力を積み上げていく「アジャイル式学習法」を採用し、初学者の方でも十分な対策ができるようになっています。また、シラバスを完全に網羅しているので、一からの学習、苦手分野を克服する学習、どちらの学習にも最適です。さらに、付録や特典として提供している過去試験問題を活用することで、学習の進捗状況に合わせて、実力チェック、弱点探し、試験直前の総仕上げなど、様々な用途で活用できるところが魅力となっています。

解説→例題を繰り返す構成で、知識が定着します。

―――たしかにフルスペックですね。1冊で合格できるというのもうなずけます。
「徹底攻略シリーズ」は最近カバーの刷新も行ったそうですね。どのような理由があったのでしょうか。また、リニューアルにあたって意識したことなどを教えてください。

徹底攻略シリーズのカバーは、実は20年近くも大きな変更がありませんでした。およそ20年前の発売当初から、書籍の内容は常にアップデートを重ねてきたのですが、カバーはマイナーチェンジしつつも大きな変更はなく。そのため、購入を検討されている方々に、書籍がきちんと最新の情報に対応しているということが伝わっているのか、という懸念がありました。

また、リニューアル前のカバーはどちらかというと硬派なイメージであったためか、20~30代の若い世代、特に女性に手に取りにくい印象を与えていたようで、敬遠されている分野もありました。そこで、これまで徹底攻略シリーズに馴染みのなかった方にも広く興味を持ってもらえるように、カバーの刷新を決意しました。

カバーデザインの作成依頼の際には、徹底攻略シリーズの扱う試験レベルが非常に幅広いということを考慮に入れる必要がありました。IT初学者の方には「自分にも理解できそう」と思ってもらえる親しみやすさを出しつつ、同時に高度な内容を求めている方には「安心感があってしっかり対策できそう」と思ってもらえる信頼感も表現してほしい、という複雑な要望をデザイナーさんにご相談しました。質実剛健な印象がありつつも、どこか親しみやすさも感じられる、そんな絶妙なバランスのカバーに仕上げていただき、本当に感謝しています。

―――スッキリ今どきのデザインになって、さらに、先ほど伺った特徴がしっかり打ち出されていると思います。読者の皆様からの感想が楽しみですね! 試験対策書では、企画の時点ではどんなことを考えるのですか?

試験対策書の企画段階では、様々なことを考慮します。まず、最新の試験傾向とシラバスの分析は欠かせません。特に白本は毎年改訂を行う書籍ですので、昨年度の書籍と比較してシラバスの変更点を確認し、最新の出題傾向や技術トレンドを踏まえて、加筆・修正が必要な項目を検討します。

また、受験者層の分析も並行して行います。受験者数の推移や年齢層、IT関連業務の経験の有無など、様々なデータを収集し、分析します。これらの情報は、カバーデザインや紙面構成を決定する上で非常に重要な参考資料となります。

例えば、今回の白本カバーリニューアルでは、受験者層の違いに着目しました。IT関連業務経験のない方や学生が多い「ITパスポート」「基本情報技術者」「情報セキュリティマネジメント」の3つの試験と、IT関連業務経験者が多い「応用情報技術者」「ネットワークスペシャリスト」「情報処理安全確保支援士」「データベーススペシャリスト」の4つの試験で、カバーデザインのテイストを変更しました。これにより、それぞれの受験者層により響く書籍になったと考えています。

試験の難易度によってカバーのテイストを変更しています。

―――初心者向けの本はライトなカラーリングと柔らかなフォントで入りやすく、経験者向けの本はしっかり安心な印象を受けますね。続いて、制作の過程で苦労したエピソードを教えてください。

カバーの制作過程で最も頭を悩ませたのは、カバーに載せるキャッチコピーです。白本では、シリーズの大きな特徴である「シラバス網羅」が、読者にとってどんなメリットがあるのか、という点を深く掘り下げて考えました。

「シラバス網羅」は、単に試験範囲をすべて網羅している、というだけではありません。この特徴によって、学習者一人ひとりが、自分に合った効率的な勉強法を選択できる、という点が最大の強みだと考えています。

IT初学者の方であれば、基礎から丁寧な解説で着実にステップアップしていくことができます。ある程度知識のある方であれば、AIによる出題傾向分析を活用することで、重点的に対策すべき分野を効率的に学習できます。さらに、豊富な問題演習を通して、確実な合格力を身につけることも可能です。

このような思いを込めて、今回のカバーでは「あらゆる学習深度に対応した徹底攻略メソッド」というサブキャッチを採用しました。このキャッチコピーによって、徹底攻略シリーズが、「基礎から学びたい初学者の方」、「効率的に学習したい経験者の方」、そして「網羅的に知識を身につけたい方」、あらゆる学習ニーズに応えられる書籍であることを伝えたいと考えています。ぜひ手に取って、自分に合った学習方法で学習を進めていただけたらと思います。

幅広い層の読者に向けて思いを込めたキャッチコピー。

―――幅広い層の人を想定した言葉選びは難しいですよね。届いてほしいです! 最後に、これから勉強をするぞという人へ、あらためて「徹底攻略シリーズ」のイチオシのポイントをPRお願いします。

徹底攻略シリーズはどの書籍も、著者の方々の豊富な指導経験に裏打ちされた、合格に至るまでのノウハウが凝縮された一冊になっています。長年の指導経験の中で培われた、試験に出やすいポイントや引っかかりやすい問題、効率的な勉強法など、合格に必要な知識とテクニックが惜しみなく詰め込まれています。

特に、IT初心者の方でも安心して学習を進められるように、丁寧な解説や豊富な図解をふんだんに盛り込んでいます。難しい専門用語も、わかりやすく噛み砕いて解説しているので、挫折することなく最後まで学習を続けられるはずです。もちろん、レベルの高い試験に挑戦する方にも、徹底攻略シリーズは強い味方となります。基礎からしっかりと理解を深めることで、応用問題にも対応できる実力が身につきます。

黒本・白本ともにカバーを刷新し、さらに手に取りやすいデザインになりました。書店で見かけた際には、ぜひ一度手に取っていただけますと幸いです。

新デザインが目印のフルスペックの試験対策書、ぜひ合格に役立ててほしいですね! どうもありがとうございました!

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